はじめに:「やる気スイッチ」は、自分で押すもの

親子が手をつなぎ、信頼を重ねていくイメージの柔らかい水彩画風イラスト。勉強に向かう子どもを見守る母親。 教育子育て

「自ら勉強する子に育てたい」
親なら一度はそう願うのではないでしょうか。

でも実際は、
「どうしたら机に向かってくれるの?」
「何度言ってもやる気が見えない…」
そんな悩みを抱えている方も多いと思います。

ここでお伝えしたいのが、
やる気スイッチは、人から押されても長続きしないということ。

勉強でも、スポーツでも、片づけでも──
「やらされている感」があるうちは、本当の力は育ちません。

だからこそ大切なのが、
子どもが自分の意思で“やる気スイッチ”を入れられる状態をつくってあげること。

そしてそのスタートラインに立つには、
「親子の信頼貯金」をコツコツと貯めておくことが何より大切です。


親子の信頼貯金ってなに?

「信頼貯金」というのは、
言葉通り、親子の間にある“心の預け合い”のことです。

  • 自分の気持ちをわかってくれる
  • 喜ばせようとしてくれている
  • 安心して甘えられる

こういった「小さな安心感」を積み重ねていくことで、
子どもの中に「この人の話なら聞いてみようかな」という気持ちが生まれてきます。


信頼貯金がないと、スイッチは入らない

たとえば、大人でも──

  • 尊敬できる上司からの仕事の依頼
  • 好きな先生からの宿題
  • 信頼している人からのアドバイス

こういった場合は、「ちょっと気が乗らなくても頑張ってみようかな」と思えることがありますよね。

でも、信頼できない相手からの指示だったら…?
「いやいや、なんで私が?」と、反発したくなるのが自然です。

これは子どもも同じ。

信頼関係のない状態では、どんなに良い言葉も届きません。
まずは“聞く耳”を持ってもらうために、信頼貯金を貯めるところから始めましょう。


信頼を貯める、ちいさな「先出し行動」

信頼貯金は、言葉だけでは増えません。
大切なのは、子どもが喜ぶことを“先出し”でやるという姿勢です。

たとえば…

  • 子どもの好きなごはんを作っておく
  • お布団を干して、ふかふかにしておく
  • 靴を揃えておく、荷物を置きやすくしておく
  • 「よく寝た?」「疲れてない?」と気づかう言葉を先にかける

そんなちいさな“行動”を通して、
「大切に思ってくれてるんだな」「わかってくれてるな」と感じる経験が、
やる気スイッチを入れる土台になります。


おわりに:まずは“心の土台”から

「やる気がない」と嘆く前に、
「この子の心に、今どれくらい信頼がたまってるかな?」と立ち止まってみませんか。

どんなに優れた教材や塾よりも、
まずは親子のあたたかい関係性が、自ら学ぶ力の根っこを育ててくれます。

焦らず、少しずつ。
今日できる“ちいさな信頼行動”から、始めてみてくださいね。


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